
転職をしようと思った時、転職先で仕事をうまくやれるのか?そもそも企業が求めている人材・自分に求めていることはなんだろう?と考えたことはないでしょうか?
わたしは転職活動をしていたときには、企業が求める人材とはなにか?ということを真剣に考えていました。
企業が欲しがる人材と、わたしが企業に提供できるものがマッチしたとき、自然と良い内定が決まると思っていたからです。
転職活動を通して、企業が求める人材とは何か?ということがわかってきましたので、今回はその内容について書いてみます。
企業が欲しがる人材
最初に結論から書きます。企業が求める人材は下記です。
- プロジェクトリーダー
- プロジェクトマネージャ
- 幹部職
断言します。
企業は上記の人材しか必要としていません。
毎年雇う新入社員も、全員例外なくリーダー・マネージャ・幹部職にさせることを前提として雇っています。
企業は頭を正社員、身体を低賃金は人材にしたい
企業は『頭』となる人間以外を必要としていない
企業は会社を動かすことができる人間だけを必要としています。
なぜなら、そちらのほうが企業は儲かるからです。
たとえば、優秀なSEが1人いたとします。その人は1人で1ヶ月あたり3人分の仕事ができるかもしれません。
でも、1ヶ月3人分の仕事までしかできない。これが限界なんです。
1人のリーダーがいたとします。その人は30人のチームを管理することができます。
つまり、このリーダーは1ヶ月あたり30人分の仕事を進めることができます。
利益率が良いのは、優秀な人が1人で3人分の仕事をすることなのですが、大規模な作業はどうやっても進めることができないんです。優秀だけど、1人でやると10ヶ月かかるかもしれません。
でも1人のリーダーと30人の部下がいれば、1ヶ月作業を終わらせることができます。
ちょっとこれは単純な計算、たとえですが、要は大規模な開発をやるにはどうしても個ではなく集の力が必要になり、集の力はリーダーにかかっています。
本当は開発職を正社員にしたくない
企業にとって正社員というのは、すべてリーダー・マネージャ・幹部職を目指すことになります。
じゃあ最初から管理職になるための教育がされるのか?というとそうではなくて、新卒で入社してから中堅社員になるまでは開発一本です。
IT業界においては、リーダーを務めるためには開発の知識も必要だということです。そうでなければ新しい商品の開発のアイデアも湧きませんし、人がやった作業が正しいのかどうか評価することもできません。
そういった意味で、資格取得とかも大切な項目になりますし、転職活動では資格を持っていると有利に働きます。
将来的に管理職にさせるために雇っているので、開発職から抜けられないSEというのは会社にとって金食い虫でしかないんです。
優秀なプログラマより、普通レベルのリーダーのほうがたくさんお金を稼げるってわけです。
労働力はすべて派遣社員にしたい
企業は正社員を開発職のままにさせてたくない。少なくともリーダーレベルにはさせたいと思っています。
じゃあ一体誰が設計やプログラミングといった、開発作業をやるのか?というと、それはすべて単価の安い派遣社員にやらせたがっているんです。
わたしはもともと派遣のSEをやっていたのですが、正社員に転職しました。正社員になってわかったことですが、
- 派遣社員は単価が安い。(正社員の半額ぐらい)
- 開発といった作り込みの労働力は派遣社員が望ましい。
- 正社員は会社を動かす、回す、頭となる人間にする。
派遣社員、派遣SEはどこまで行っても単なる労働力でしかないということを知りました。
いつでも増員できるし、いつでも切ることができる。会社側にとってはすごく都合が良い人材なんです。派遣やってる側としては単価が安くて給料低いし、いつ切られるか、次の仕事はあるかがわからない、不安定な職です。
SEは基本的にプロジェクトリーダーを目指すしかない
企業は基本的にプロジェクトリーダー、プロジェクトリーダー以上のみを必要としています。
プロジェクトリーダーの下に、数人~数十人の派遣社員をつけて、プロジェクトを遂行させようとします。
これが理想なわけですが、実際にはそううまくはいきません。プロジェクトリーダーになれない人たちもたくさんいますし、プロジェクトリーダーをやっていた人も景気や仕事の増減で溢れることがあります。
ですが、そういった人たちは別のプロジェクトチーム、別のプロジェクトリーダーの下についたりします。
景気がよくなり仕事が増えれば、プロジェクトリーダーの下についていたリーダーは、新しいプロジェクトチームのリーダーとなり、たくさんの派遣社員を増員します。
このように流動的に人員を異動させることができるようになるため、正社員は少なくともプロジェクトリーダー以上にさせておきたいんです。
ただし、こういった体制の問題点としては…いつもとばっちりを受けるのが派遣社員です。
派遣社員は『困った時に助っ人』という位置づけではあるのですが、現実では景気が悪くなって仕事が減って切られると、他の企業でも派遣社員を必要としないケースが多く、行き先がないんです。
ゆえに、派遣SEというのは助っ人ではなくて、いつでもクビを切ることができる都合の良い人材、というほうが正しいです。
まとめ
- 正社員は基本的にプロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャ・幹部職を目指す。
- 開発といった労働力は正社員に求めていない。派遣社員で十分。
- 正社員は少なくともプロジェクトリーダー以上にさせたい。
- プロジェクトリーダーになれない人もいるけど、その場合は別のリーダーの下につくだけ。仕事はなくならない。
- でも派遣社員は追い出される。enqueueするとdequeueするようなイメージ…。
プロジェクトリーダー、プロジェクトリーダー以上にはなりたくないという人もいるかもしれませんが、企業が欲しがる人材はリーダー、リーダー以上です。
転職活動では『開発だけずっとやっていきたい!』ということはあまりアピールしないほうが良いかもしれません。
結局、転職後にどのようなキャリアパスを描くかはわかりませんので、転職活動のときにはリーダー、マネージャ目指してます!っていうことをアピールしておきましょう。
入ってしまえばこっちのもの。開発でいくのか、プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャに進むのか、考えましょう。
大丈夫。世の中にはリーダーになれない人もたくさんいますよ。あなたの周りを見てください。正社員で40~50代で開発やっている人もたくさんいるでしょう?
…派遣SEで40~50代で開発やっている人は目も当てられませんけどね…。