
わたしは転職する前は年収400万円台の低年収な客先常駐タイプの派遣SEでした。
年収が低くてお金にこまると、副業でもやってみようかな?と一度は考えてしまいます。
副業と言ってもいろいろありますよね。コンビニや飲食店のアルバイトとか。
低年収といえどもシステムエンジニアとかいうインテリな仕事をしているせいか、ちょっとしたプライドがありました。
高校生に混じってコンビニや飲食店のアルバイトをするのは抵抗があります。それに会社としても『多重雇用』はNGでした。
で、副業の候補として挙がったのが『転売』です。
実際に転売で独立する人も多く、わたしが以前つとめていた派遣会社の同僚でも転売で独立する!という人がいました。
転売で独立!そして破産へ…
転売とは?
わたしも会社の同僚から聞いて知ったのですが、転売にもいろいろ種類があるようです。
せどり | 実店舗を回ってセール品を買い占め、Amazonで定価で販売する |
Amazon輸出 | 日本のAmazonとアメリカのAmazonで価格差のある商品の利ざやを抜く |
Amazon輸入 | アメリカのAmazonと日本のAmazonで価格差のある商品の利ざやを抜く |
せどりは実店舗を回らないといけなくて、自分の足を使って稼ぐのですが、Amazon輸出やAmazon輸入は、Amazonで購入してAmazonで売ることになるので、パソコン1台で仕事が完結するようです。
Amazon輸出、Amazon輸入は家から一歩も出る必要がないため、副業にも最適なんだとか。
わたしの同僚が選んだのはAmazon輸入でした。実際に稼げるときは1日2時間程度の作業でも1ヶ月で20万円ぐらい稼げるそうです。
アメリカのAmazonで儲かりそうな商品をポチって、日本に転送して、Amazonの倉庫に納品すれば、あとはお客さんが買っていくだけでお金が入る、という簡単な作業手順なんだとか。
在庫を抱える
転売はアルバイトと違って個人事業になりますので、それなりにリスクがつきまといます。
転売のリスクは何かと言うと、在庫を抱えるということ。
先に商品を購入するわけですから、売れ残ってしまえばそれが負債となります。不良在庫っていうやつですね。
たいてい売れるそうですが、売れるのに3ヶ月~半年かかることもあるのだとか。
キャッシュが回らない…
商品を購入することを仕入れなんて言うのですが、その仕入れはクレジットカードを使って行います。
クレジットカードは請求が『翌月末』というものが多いです。
たとえば、1月の頭にクレジットカードを使えば、請求は2月末になります。
約2ヶ月ほど請求にタイムラグがあるのですが、この2ヶ月の間に仕入れた商品すべてを売り切れば健全なキャッシュフローとなります。
ですが、2ヶ月を過ぎてしまうとキャッシュが回らない。貯金がないとクレジットカードの支払いができず破産となってしまうんですよね。
そして破産!
ネット上の情報では、
- 誰でもできる
- 簡単に稼げる
- 資金ゼロでも稼げる
なんていう謳い文句がごろごろ転がっています。わたしの同僚もそういった誇大広告みたいなものを真に受けてしまい、ほぼ資金ゼロではじめました。
ですが、実際には思っていたより簡単には商品が売れてくれないし、投資した資金を回収できない。
なんとか支払いに間に合わせようとして、利益率が低くてもどんどん仕入れ金額を大きくしていきました。借金を借金で返す、いわゆる自転車操業です。
彼は転売で独立する!と言って会社をやめていました。会社に属していないので信頼も低く、お金を借りることもできません。
最終的に彼は破産することになりました。
違法行為もたくさんしていた…
ご存知のかたもいるかもしれませんが、関税法とか外為法といって、個人が輸入できるものには制限があるんですよね。
実はAmazonでは違法に輸入したものがたくさん販売されています。違法販売だらけの無法地帯で、実際に逮捕者もたくさん出ています。
Amazon輸入とか転売に関する情報ってたくさんあるのですが、どれも犯罪まがいのものばかりです。
同僚もなんとか資金を回収しようと違法と思われるような販売をたくさんしていました。自分を守るためには悪にでもなるってわけです。
もちろんAmazonもそういう人を放置するわけではなく、アカウント削除といった措置を取ります。そうすると商品を販売できないし、売上が差し止められます。
で、キャッシュが詰まって破産となったわけです。まぁ自業自得ですね。
夢を見るのはいいが、相応に現実も見よう
転売とかネットビジネスは情弱から金を巻き上げるビジネス
わたしの同僚を見て思うことは、せどり・転売・Amazon輸入をはじめとするネットビジネスというのは、情弱からお金を巻き上げるビジネスだってことです。
そういった情報サイトを見ると、ページを開いた瞬間に画面いっぱいのメルマガ登録フォームとか情報商材の広告が貼り付けられているんですよね。ウザッ!と思います。
転売で稼ぐ人は、転売そのもので稼いでいるのではなく、転売を教えます!みたいなコンサルとか情報商材で稼いでいるのでしょう。
わたしの同僚は『転売で独立して自由人になりましょう!』みたいな広告に釣られたカモだったってことです。
結局地に足つけたほうが良いって話
インターネットが普及したり、シェアリングエコノミーだとか言われたり、個人で仕事がしやすく稼ぎやすい時代にはなったと思います。
ですが、楽して稼ぎたいとかスマートに大金稼ぎたいとか、近道や裏技的なものを求めるより、地に足つけて地道に努力をして稼ぐ、というのが一番なのではないかとわたしは思います。
変化の激しい時代ではありますが、だからこそ王道パターンである、一般職⇒リーダー⇒マネージャ⇒幹部職、とステップアップするのが大切なのではないでしょうか。
正社員でも安定なんてない、と言う人もいますが、本当にそうなのでしょうか?派遣社員やフリーランス、ネットビジネスで独立した人よりははるかに安定しているはずです。
将来不安だから独立、ではなくて、将来不安なら転職のほうが正解です。
まとめ
- 転売はたしかに儲かる模様。
- でも在庫を抱えるためリスクはある。
- 最悪の場合、キャッシュが回らず破産する。
- 結局、ネットビジネスは情弱をカモにしたビジネスである。
- 将来不安なら副業とか独立じゃなくて優良な企業への転職が正解。
ネットビジネスで独立した、という話を調べると、ほぼ100%の確率で成功談しか出てきません。
これはなぜかというと、Googleの検索アルゴリズムの影響もあるのですが、人はみんな成功したい、成功した話が聞きたいから、成功談ばかりが上位表示されるんです。
また、情報サイトを作成する側も成功談を書いたほうがお金になるから、成功談のほうが多いんですよね。
で、そういったサイトを見ていると、
- 自分でもできるのではないか?
- ちょっと高い投資だけど、この情報商材を買えば稼げるのではないか?
と勘違いしてしまうんです。
中には失敗している人も間違いなくいます。それもたくさん。わたしは独立よりは転職のほうが正解である、と思ってます。