
SEは転職市場において市場価値が高い職種であるため、年収アップといった待遇が期待できます。
ですが、転職をするにしても、志望動機が『お金がほしいから』なんてことは言えません。中には言っている人もいるかもしれませんが。
転職における履歴書の項目や面接で聞かれる志望動機、これはほぼ確実に明確な正解と不正解があります。
ぜひこの記事を読んで、適切な志望動機の答え方を参考にしてみてください。
SEの転職における理想的な志望動機の回答
1.働きたい理由を回答する
これはわたしがとある企業で人事の方と仲良くなったときに聞いた話です。
面接や履歴書の志望動機は少なくとも『うちの会社でなければならない』という理由がなければNGなようです。
たとえば、『御社のソフトウェア開発に携わりたい!』とした場合、ソフトウェア開発の仕事なんてこの世にはいくらでもありますよね。
そういった抽象的な回答をしてきた場合、企業側としては『あなたは別にウチの会社じゃななくてもどこでもいいんじゃないの?』と思ってしまうそうです。
そこから発展させると、
- あなたはうちの会社で働かなければならない、という理由がない
- あなたはうちの会社で働かなくてもいい
- うちの会社に入ってもまたすぐ転職してしまうのでは?
強い理由がなければ内定はもらえません。
2.製品名を名指しして開発に携わりたいと言う
志望動機の理想的な回答は、ずばり『企業が所有する製品名を名指しする』に限ります。
これも人事の人に聞いた話なのですが、過去にこんな人がいたそうです。
- わたしは以前、御社の○○という製品を使ったことがあります。
- ○○を使った時、なんて作業効率が上がる製品なんだ!と感動しました!
- その時、わたしも○○の製品開発に携わりたいと思ったのです!
この人は採用となりました。わたしの派遣先企業での出来事でしたので、一流企業です。うらやましい。わたしも転職したい。
一例ですが、志望動機を上記のように回答することができると、『この人はうちの会社で働く明確な理由がある』と判断してもらえます。
これで100%内定がもらえるというわけではありませんが、企業が所有する製品名を名指しする、これが理想的な回答の1つであると考えています。
3.どのようにして利益をもたらすかを伝える
上述したように、企業が所有する製品を名指しする、を前提にし、さらに追い打ちをかけるような回答をしていきます。
具体的に、何をやっていくのか…すなわち、『わたしは御社にこういった利益をもたらします』という、利益を想像させることです。
- 御社の製品を使っていて感じた不便な点を改善したい
- 御社の製品を○○市場に転用してみたい
- 御社の製品に○○という機能を追加したい
などなど。
企業があなたを雇うと、賃金を支払わなければなりません。
賃金を支払うとなると、あなたはそれ以上の利益を会社にもたらさなければなりません。
つまり、企業はあなたを雇うことに対して、会社に対してどれだけの利益をもたらしてくれるか、ということを履歴書、面接で見ているわけです。
なので、そういった意図を先回りして回答をすれば良い、というわけです。
これはありえない!っていうSEの転職の志望動機
1.お金欲しいとか、銭ゲバな志望動機
わたしは一度転職を経験していますので、わりと転職を考えているあなたの気持ちがなんとなくわかっているつもりです。
志望動機…ぶっちゃけると『お金が欲しい』以外ないですよね。(笑)
家庭も持っていますので、転職理由なんてお金とか残業したくないとか、そういった理由が大きいはずです。
ですが、そういった本当の転職理由を応募先の企業で回答してはいけないんです。上述したように、『うちの会社じゃなくてもいいよね』と思わせるような回答をしてはいけないのです。
こういった自分都合の転職理由・志望動機は答えるべきではありません。
給料をあげたい、と伝えるのではなく、はじめから給料の高い求人に応募するようにしましょう。
2.残業を少なくしたい、という怠けた志望動機
どんな職業でも残業はあります。残業のない職業なんてものはほとんどありません。
ですが、IT業界においては残業がすごく多いです。その理由は単純に人材が不足しているためです。
SEをやっていると当たり前に思ってしまいますが、プログラミングや設計などは社会一般的に見れば高度なスキルなんです。ゆえに人材が不足してしまい、1人あたりの負荷が高くなる、残業が多くなってしまいます。
SEであれば誰もが残業を少なくしたいと思うでしょう。ですが、志望動機としてそれを伝えるのはNGです。
残業を少なくしたい、という言葉には裏の意図があります。
- 単純に仕事したくない
- 仕事ができなさすぎて残業が多くなってしまっていた
- 仕事ができない理由に、そもそも仕事していない、という可能性もある
残業をしたくない、は、『怠惰』です。言いたいことはわかります。純粋に残業多いんだ!ということ。そのとおりなのですが、あくまでも企業側からするとそうじゃないんです。
仕事が本当にデキる人であれば、残業ゼロだったりします。…たいていのパターンは残業ゼロになる人には新たに仕事を割り当てられたりしますけどね。
前の会社は残業が多かったから、というのはNGなので、どうしても残業が少ないSEやりたいなら社内SEなどをやると良いでしょう。
3.人間関係を再構築したい、という逃げの志望動機
職場の人がキライで逃げ出したい、新しい会社で人間関係を再構築したい、という人もいるのではないでしょうか。
こういった志望動機は『逃げ』の志望動機です。
厳しい言い方をしますが、問題の本質が企業側ではなく、自分自身にあるものです。
たとえば、いくら変な人がいる会社でも、誰とでもうまくやれている人、またはそれに近い人っていますよね。
うまくやれている人はうまくやれている、改善する方法もあるんです。しかし、それを実践せずに転職をしてしまう…。
企業側から見れば、努力をしない人としか見られませんし、『うちの会社に来てもまた人間関係うまくいかないんじゃないかな?』と思われます。
めんどくさい人間関係に巻き込まれたくない!という方は、純粋に自社製品の開発をやっていたほうが良いと思います。客先常駐の派遣SEとかだと頻繁に職場が変わり、そのたびに人間関係構築が必要なのであまりにも面倒です。
まとめ
- 志望動機は『御社じゃなきゃダメなんです!』という理由を答える
- 応募先企業が持つ製品を名指しするのがGood!
- 『別にうちの会社で働かなくてもいいよね?』という志望動機はNG
- 転職理由が自分自身を変えることで解決したりするものではダメ。
- どこに転職するにしても、応募先企業のことはwebサイトなどを使ってしっかり調べることが大切
志望動機に企業が所有する製品を名指しするのが良い、と書きましたが、こういったことはその企業についてしっかり調べればわかることです。
転職活動において大切なことは、応募先企業のことをしっかり調べることです。
よく聞く話が、『100社面接受けたけど1社も内定もらえなかった!』とかいう話。新卒でも多いですよね。
こういった人は『下手な鉄砲数撃ちゃ当たる』で転職活動をしています。わたしのスタンスは、
- 彼を知り、己を知れば、百戦危うからず
これは兵法で有名な孫氏の言葉です。相手と自分の力量をしっかり把握していれば危険な戦なんてない、という意味です。
SEの転職は下手な鉄砲でも打てばどこか当たる。でも当たった企業は『誰でも採用する』ような客先常駐させる派遣会社だったりします。
面倒ではありますが、しっかり応募先企業のことは調べましょう。