
わたしは現在、転職してしまっていますが、以前いた会社はもしかしたらブラック企業だったんじゃないかな…と思うことがよくあります。いや、ホントはブラック企業と判断したから転職したんです。
どのようなところがブラック企業だったかというと、
- めっちゃ残業ある。
- でも残業代がカットされる。
- ひどい時は残業代が1円も出ない。
ブラック企業なんて他人事でしたが、自分自身が勤めている会社ってあんまり客観的に見れくて実は気づかなかったりするんですよね。
あなたの会社は大丈夫ですか?
ブラック企業とは?
ブラック企業を知らない、という人はあまりいないとは思いますが、ちょっとだけおさらいしておきましょう。説明はいらないよ!という方は飛ばしてください。
ブラック企業(ブラックきぎょう)またはブラック会社(ブラックがいしゃ)とは、「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」(今野晴貴による定義)を指す。
これはあくまでも概要に過ぎませんね。
- 過重労働
- 違法労働
- パワハラ
それぞれ一言で書いていますが、その中身がさまざまなんです。
過重労働
わたしは客先常駐の派遣SEでしたので、派遣先の企業によっては過重労働はよくありました。
- 毎月60時間以上の残業・休日出勤。
- 徹夜の作業。
派遣社員だから、派遣元の会社はブラックじゃないと思っていました。でも、そういったところに派遣させるって時点でブラックですよね。36協定なんてあってないようなものです。
違法労働
もう残業代が100%しっかり出てくれない時点で違法ですよね。派遣先の企業はもちろん残業代カットなんてないです。派遣社員である、わたしだけがカットされるんです。
パワハラ
幸いなことに、わたしはパワハラらしいものはほとんど受けたことがないです。
飲食や販売・営業といった業界・職種は体育会系なところが多いのかと思います。一方、SEという職種はだいたいの人が出身は理系で体育会系は少ないです。システムエンジニアは材料費などがないため利益率・原価率が高いほうなので『ゆるさ』があります。なので、パワハラは少ない業界であるとわたしは思います。
SEの問題は納期をまもらなければならないことであり、納期に間に合わせようとデスマーチが始まったりするんですよね。なので、パワハラはなくとも過重労働はありえるというわけです。重労働は転職した今でもたまにあります。
こんな会社はブラック企業!
残業代が100%出ない。(何割かカットされる)
これはもう最低限のことですが、残業代が100%出ない会社なんてありえないです。
1ヶ月に60時間の残業をしたのに、
- 残業60時間もやったの?
- でも、お前はこの作業ができてなかったよね?
- じゃあ残業代で認めるのは30時間までだね。
はぁ?って感じじゃないですか!個人の裁量で残業代って決まるんですかね?働いた時間に対して支払われるものが残業代でしょう!
わたしが低年収SEだった理由の一番大きい原因が残業代カットです。
残業代は常に100%カットされるわけではなく、30%とか50%とか、何割かがカットされることがありました。
会社の景気が悪い時には100%カットもありました。まぁ景気が悪いことなんてしょっちゅうありましたけどね。客先に常駐させるような派遣会社・人売り会社の経営状況なんて、たいてい悪いです。
しょせん、中間マージンを搾取するだけの企業は社会には不要なんです。
ボーナスが100%出ない。(何割かカットされる)
残業代だけではなく、ボーナスもカットされたことがあります。1度だけではなくて。
こちらも残業代と同じように、会社の経営状況によってボーナスカットされます。まぁボーナスは残業代よりはカットされる可能性があるので、ある程度仕方がないとは思いますが。
やっぱり辛いのは、派遣先のお客さんがボーナスでウハウハしている雰囲気の中、自分だけボーナスがカットされているっていうのが辛いです。
正社員であるお客さんに聞かれるんですよ。
- yamamotoさんは残業代いくら出ました~?
- ボーナスは何に使うねすか~?
ってね。悪意がないだけに辛い苦しい。いつも『いや~…ははは…何に使うんでしょうねぇ~…』なんてごまかしていました。年収が低いってのはみじめです…。
残業が多すぎる
残業代もボーナスも出ないのに、めちゃくちゃ残業があります。
システムエンジニアという職業はどうしても残業が多くなってしまいます。その理由は、
- 計画的に作業を進めていても後から仕様変更が発生する。
- 仕様変更が発生する理由は計画当初に見切れていないから。
- ソフトウェア開発は最初からすべてを見切って作業するのがむずかしい仕事。
- それなのに納期は動かざること山のごとし!!
途中から作業が膨れ上がるくせに納期は変わらない。納期に間に合わせるために残業したり休日出勤したり。
でもわたしの会社は残業代が出ません。そんなことが何回もあって、ようやくわたしは自分の会社がブラック企業であると自覚しました。
対策は?
ブラック企業に入らない
そもそもブラック企業には入らないというのが一番大切です。
実際にわたしは転職をしましたが、その時会社を見たポイント、ブラック企業を見抜くコツとしましては、
- 自社製品・自社サービスを持っている。
- 得意なジャンルがある。(なんでもできます、みたいなことを言っていない)
重要なのが自社製品・自社サービスがあるかどうかです。
なんでもできますっていうのは、どこにでも誰でも派遣させるって言っているようなものです。
客先常駐させるような派遣会社は基本的にブラックです。でもIT業界ってホントにこの手の会社多いんですよね。
そして派遣会社はほぼ100%といっていいほど、自社製品・自社サービスを持っていません。当然ですよね?人を派遣させることしかしてないから、自分の会社に人材以外の資産がないわけです。
これは企業のHPを見ればわかることです。リクナビやマイナビなどで仕事を探す時は、必ず応募しようと考えている企業のHPまで確認しましょう。これはその後、転職時の面接でも役に立ちます。
残業代が出ないならさっさと帰る
今だからこそ強く言えるのですが、残業代が100%出ないようなら残業なんかせずに帰ってしまえばいいんです。
わたしは今、正社員として働いていて派遣社員を雇うことがよくあります。で、派遣社員にもいろいろな人がいまして、やっぱり残業代が出ないという人もいたんです。
そういう人は仕事が終わらないうちにさっさと帰ってしまっていました。まぁこちらとしては当然困るわけですが。
- うち残業代出ないんで~。
- 派遣社員は成果で仕事してるんじゃないんですよ~。
- 派遣社員は時間で仕事してるんですよ~。
『時間で仕事をしている』…なるほど一理あるな。
正社員も基本的には時間を会社に売ってお金をもらっているようなものですが、正社員は成果を出してお金をもらいます。売れる製品を作らなければお金が入らないということです。
一方、派遣社員は派遣先の企業のために製品を作ってるわけじゃない。派遣社員は一時的なリソースとして時間を売ってるんだよ、という考えですね。
…ま、一理あるのはわかるけど、切っちゃいました。だって必要時に残業できないならいらないんですもの。
要は、残業代が出ないなら残業がない会社に当たるまで転々としていればいいって話です。派遣先からは切られるけど、派遣元ではクビを切るのはむずかしいはずです。
残業しても残業代が出ないから、という正当な理由がありますので。これで解雇と言うなら不当解雇です。
会社を変える
わたしが転職して良かった、と思っているタイプなので転職という選択肢が出てきてしまいます。
やはりブラック企業だと判断したらさっさと転職してしまうことですね。長くいてもいいことはないです。
わたしが転職活動をして感じたことは、システムエンジニアという職種は引く手あまたです。それは当然、IT業界は慢性的な人材不足であり、国がエンジニアを増やそうと学校のカリキュラムにもプログラミングを含めようとするぐらいですから。
それでも、年齢に関してはやはり壁があるようで、わたしは30歳くらいで転職をしましたが、35歳を超えると一気に転職は不利になるようです。
というのも、企業は正社員を会社を動かすリーダーや経営者にさせたがっているんです。
- 35歳過ぎてもずっと派遣社員でした。
- リーダー経験なし。
- マネジメント経験なし。
となってしまうと、会社としてはキャリアプランを描けなくなってしまうんです。要は、リーダーやマネージャとしての育成が間に合わなくなってしまうということ。
これが35歳よりも前、できれば30歳前後の転職であれば、リーダー・マネージャ経験なしでも転職はしやすいです。企業はこれから育成をしていく、というキャリアプランが描けます。
でも、かならずしもリーダー・マネージャになるわけではなく、なれないならなれないなりのエンジニア以上、スペシャリストとしてのキャリアプランも描けるんです。
わたしは30歳手前で転職しましたが、転職活動をしたときに上述したようなことを知りました。正直あぶなかったと思います。
まとめ
- ブラック企業とは、重労働・違法労働・パワハラのある会社。
- ある程度は仕方がないというところもあるし、人の捉え方次第。
- でも残業代・ボーナスカットは本当に許せない!
- わたしが年収400万円という低年収SEの原因は残業代・ボーナスカットにあった。
今では転職して年収が600万円となりましたが、前の会社のことをブラック企業としてしっかり認識していなければわたしは転職していなかったかもしれません。年収も400万円のままで家族4人をどう養っていこうと悩んでいたかもしれません。
仕事はやりがいとかジョブのマッチングとか言われますが、なによりもまずお金が必要だとわたしは考えています。
社員の生活を保証できるようなお金がもらえない会社に、自分の一生をささげることなんてできません。
やりがい、ジョブのマッチングは2番目です。
今、わたしのように低年収SEだ~!と悩んでいる方、年収が上がるといいなぁ、と思うわけです。